菜穂は頭を深々と下げ震えていた。


菜穂ちゃんが泣いている……

「……行ってください、大丈夫ですから」


震えている体を思わず抱きしめていた。


「また……菜穂ちゃんの手作りお菓子を食べたいかな」


「え?」


「俺、まだ告白の返事してないんだけどな」


勝手に振られる設定はしないでよと言ってくれる



「で、でも……」


「菜穂ちゃんと付き合ってみようかな?」


「えーーーー」

びっくりし過ぎで大きな声を出してしまった。



「アハハっ、びっくりしたぁ」


瞬弥は心臓を思わず押さえた。


「あっ、ごめんなさい」

両手で自分の口を塞ぐ



すると玄関が開き菜摘に注意される


「菜穂!うるさい!近所迷惑でしょ」



バタンとまたドアが閉まり中に入っていった



「ごめん……」

菜穂はしゅんとなっている。


瞬弥はそれを見てお腹を押さえて笑っていた。



「クックック……」


「あの……私が泣いたからって無理しなくても……」


「ん?俺に告白して泣いた子なんて何人もいるよ」


そっか……やっぱりモテる……