「体育委員の時にお前に一目惚れしてるみたいだから告白されたらうまく断れよ」



「そんなぁ、ハードル高いよ」



「うまくいけば……」



「いけば?」



「あー、いや何でもない」



「色気ねぇ……私にあるかな」



「片乳出してた時はあんまりなかったけどな(笑)」



「もうー」



「でもほとんどの男はデレデレしてたからうまく言うこと聞くように頼むな」



「訳わかんないし」


菜摘の頬を軽くさすり、入口近くに座らせた。



しばらく本を読んでいると図書室のドアが開いた。



大橋先輩と目が合いニコッと微笑む



「少し話しても大丈夫?」



菜摘は立ち上がり先輩と図書室をでた。



「……あの」



「はい、大橋先輩」



「俺、いや僕の事覚えて、いや名前まで知ってくれてるんだ」




「体育委員のときに城戸さんにお名前は聞いてました」



嘘ついちゃったけど、これくらいはいいよね



「僕も和田菜摘ちゃんて、妹から聞いてて」



「妹さんがいるんですね、こんな守ってくれるお兄さんがいたら頼もしいですよね」



「いやぁ……」


誰が見てもデレデレしている


誰もいないけれど……