「ハハッ、可愛い、可愛い」


「それは、妹みたいだからですか?」

菜穂は顔をあげた。


野村くんにハグをされて顔は真っ赤になっていた。



「夜、コンビニに行っていたのは……野村瞬弥くんに会いたかったからなんです!」


しっかりと顔を見て言った。

しばらくの沈黙



「うっ……っ、言っちゃった……どうしよう、もう会えなくなる」


顔を上げたまま涙が溢れる


「…………どうして?」


「振られちゃう……
でも妹扱いは嫌だもん!野村瞬弥くんが……好き……うっ」



溢れる涙を自分の手で拭おうと右目をこすった。


野村くんの顔がボヤけて見えた。


「えっと……俺が...好きなの?」

「はい」

ボヤけてるけど、下向いちゃだめだ!


「もう一度聞いてもいい?」


「野村瞬弥くんが好きです!」


「大冴じゃなくて?」

「……誰ですか?」

菜穂はゴシゴシと目をこする。


そっか大冴のことは学校が違うから知らないか……でももし大冴に会ったらまた……



瞬弥が最初に付き合っていた彼女は大冴目当てに近づいてきた女子だったのだ。

大冴は女子とあまり話をしない

恥ずかしくて話せないのは当然俺は知っていたけど、女子にはそれがクールでかっこいいらしい。



初めて付き合った彼女にそれを聞いた時にはショックだったな