「大冴くんも頑張ってね」



久しぶりに話すから緊張すると思いながら聖衣子は声をかけた。



「大橋」



「何?」



嬉しくてにっこり微笑んだ



「お前元経験者として、この場所によく来れたな」



「えっ、でもまだアップの時だから」



「アップが選手にとってどれだけ大事だと思ってんだよ、目障りだ」




「ひどい……お兄ちゃんー」



観客席を見ていた兄に助けを求める


先輩は菜摘が見ていないのに1人で手を振っていた。




「大冴、他の学校の奴らも見てるから」




西が傍による



大冴は西の言葉も無視して部長の所へ行く



「部長、次の地方大会の団体戦、俺を外して下さい」


部員がざわつく


「なっ、大冴、先輩らは最後の大会なんだぞ」



西はハラハラしている



「部長には申し訳ないですけど、不真面目な大橋先輩の為にインターハイ出場という学校の名前を残そうとは思いません」


部長はしばらく考えていた。



「そうか……じゃあ大橋をメンバーから外そう」


「え?」



部員が静かになった。