木曜日の体育祭は曇りと小雨予報の中決行された。
午前の部を終え大橋兄妹が2年の校舎にいた。
朝早い通学をした兄にお弁当を持って待ち合わせていたのだ。
「なあ、聖衣子、大冴のクラスをちょっと見たい」
「いいよ」
「あのクラスによ、綺麗な子がいてな」
「へぇ〜」
「大冴に聞いても教えてくれねぇし、生意気な奴だ」
3階の大冴のクラスを少し遠くから覗いていた。
大冴はちょうど有里と話していた。
「あの子?」
「いや、あの子は体育委員で城戸っていう」
有里を目で追っていると菜摘と麻耶が見えた。
「いた!あの子」
「あ〜和田菜摘ね」
「菜摘ちゃんか、名前も可愛いな」
「瞬弥くんとも噂があったし、大冴くんとも仲良いし元カレともまあ色々噂が絶えない子よ」
「綺麗だからモテるだろうなぁ」
「私は大冴くんの傍にいる子はみんな嫌い、
はい、もう名前分かったからいいでしょ、
お昼ご飯食べる時間なくなっちゃうよ」
「おう、そうだ、じゃあな」
ダッシュで自分の教室に戻った。
「ふん、ちょっと美人だからって……」
お兄ちゃんまであの子の事気に入るなんて