彼女の友達の名前は、宮内英美里(みやうちえみり)、夏目透(なつめとおる)、山川尚(やまかわなお)と言う。英美里は小柄でショートボブの可愛らしい女性、透は背が高く筋肉質、尚は色黒で目元にホクロのある男性だ。

「パンケーキを食べた後、私たちはカフェの近くにあるカラオケに行ったんです。カラオケに行って十分くらい経った頃だったと思います。急に姫香ちゃんが苦しみ始めて……」

英美里の体が震え、涙が零れ落ちる。透が彼女の肩を支え、尚が髪をクルクルと指に巻き付けながら「姫香は?」と不安げに訊ねた。桜士は笑みを浮かべて言う。

「大丈夫ですよ、救急車を三人が呼んでくれたおかげで、姫香さんは無事です」

桜士の言葉に三人はホッとした顔を見せた。そんな三人に一花が質問をする。

「姫香さんはミックスベリーパンケーキを食べたと言っていました。三人はどんなパンケーキを食べたんですか?」

「私はホイップパンケーキを食べました」と英美里。

「俺は抹茶パンケーキを」と透。

「僕はキャラメルパンケーキを食べました」と尚。