「先生!私、パン持って来てるんです!カレーパンとジャムパンどっちがいいですか?」
「先生!俺でよければ、今日飲みに行くの付き合いますよ。日本の居酒屋行ったことないんでどの店がいいとか知らないですけど」
一花とヨハンが声をかけるものの、庄司は「俺なんて……俺なんて……」と言うだけだ。桜士も声をかけようとしたのだが、今の状態では何を言っても無駄だろうと口を閉ざす。
(さすがに私情を挟みすぎだろ!)
桜士は呆れてしまった。もしも十が私情を挟んでいたら、グチグチと隣で小言を言っているかもしれない。
だが、私情のことを考えたのは桜士だけではなかったようで、庄司は年配の看護師に「何やってるんですか!!」と怒られていた。
庄司は看護師に叱られてからは普段通りを装っていたものの、いつものような元気はやはりない。一緒に働いている人間が気付けてしまうのだ。桜士はある考えが頭をよぎる。
(救急搬送された人が不安がるかもな。病気や怪我で弱っている時、周りの人間の感情はいつもより敏感に感じ取れる)
「先生!俺でよければ、今日飲みに行くの付き合いますよ。日本の居酒屋行ったことないんでどの店がいいとか知らないですけど」
一花とヨハンが声をかけるものの、庄司は「俺なんて……俺なんて……」と言うだけだ。桜士も声をかけようとしたのだが、今の状態では何を言っても無駄だろうと口を閉ざす。
(さすがに私情を挟みすぎだろ!)
桜士は呆れてしまった。もしも十が私情を挟んでいたら、グチグチと隣で小言を言っているかもしれない。
だが、私情のことを考えたのは桜士だけではなかったようで、庄司は年配の看護師に「何やってるんですか!!」と怒られていた。
庄司は看護師に叱られてからは普段通りを装っていたものの、いつものような元気はやはりない。一緒に働いている人間が気付けてしまうのだ。桜士はある考えが頭をよぎる。
(救急搬送された人が不安がるかもな。病気や怪我で弱っている時、周りの人間の感情はいつもより敏感に感じ取れる)