ラインハルトは、逃げずに戦ってくれた。ケガをしているのに。彼は商人だと身分を偽っていたけれど、子どもながらにそれは嘘だと見抜いていた。

 その彼は、隠し持っていた剣で獅子のごとく暴れた。

 折しも天候は荒れ、雷鳴が鳴り続けている。

 が、しょせん彼は一人。