そんな顔以上に恥ずかしいことに、彼のお嫁さんになるとみずから宣言をした。ほんとうに彼のことが大好きだったから。

「大人になったらぜったいに美しくなる。だから、ぜったいに、ぜったいにお嫁さんにして」

 幼い頃のわたしは、そのようなとんでもないことをねだった。

 しかし、彼とのひとときは唐突に終わった。

 わたしの祖国を占領した軍が、わたしたちを見つけだして襲ってきたのである。