そして、少しでも体力が回復するまでのしばらくの間、別荘でいっしょにすごした。

 わたしは、そのカッコいい青年に一目惚れした。ケガをして動くことの難しい彼に、いろいろなことをねだった。

 わたしは、その頃すでにメガネをかけていた。そして、当時は活発で少しだけおしゃまだった。そんなわたしが、そのときはじめてメガネをかけていることが恥ずかしかった。

 お兄様たちから「メガネザル」と揶揄われていたので、メガネ姿はみっともないと思い込んでいたのである。
 とはいえ、メガネを外した顔もみっともないのだけれど。