「陛下、承知いたしました」

 玉座に向かって神妙に頭を下げながら、とんでもないことに気がついた。

 わたしも彼の名を知らない、ということに。

 とりあえず、またわたしはたらいまわしにされるということね。


 このルーベン王国から、つぎなる国へまわされることになってしまった。

 つぎの国は、バーデン帝国らしい。