テーブルの向こうにいるディアナに尋ねてみた。

 同意を求めているわけでも賛同してもらいたいわけでもない。

 彼女は、どうせ過去をほじくり返してくる。たとえば、どれだけ悲惨な生活を送って来たのかとかどのような扱いを受けてきたのか、等々。そのことは、わかりきっている。

 隠し立てをするつもりはいっさいない。下手に隠し立てをすれば、それこそ強請や脅しの情報(ネタ)になってしまう。
 だから思いつく、あるいは思い出せるかぎりのことは話しておきたい。