ここで一息入れなければならなかった。酸欠になりそうだから。

 酸素を体内に取り込んでから続ける。

「わたしは、そんなささやかなしあわせを噛みしめるだけの毎日でした。でも、ほんとうのしあわせはいまを生きているということです。一日を無事に生き残れた。夜を無事にすごせた。生きているんだということを噛みしめることこそが、一番のしあわせのような気がします。こういうのって、きっと安っぽいしあわせなのですよね。ねぇ、ディアナさん?」