『春翔くんなら空き部屋にいるよ。気が利くでしょ!笑』

ありがとう。大好きな「親友」


「春翔!」
私は空き部屋のドアを勢いよく開けた。
「うおっ、びっくりした」
息を整えて春翔の方に歩く。
「久しぶり。」
そんな優しい春翔の声を聞いて涙が出そうになる。
「春翔、ごめん。」
「何がだよ。」
「春翔のこと…」
そこまで言って喉が詰まったように苦しくなった。

『春翔くんのところ行ってきなよ。』
結衣の言葉がわたしの心を落ち着かせる。

もう一度息を吸って…
「春翔のこと、いっ、いっぱい…傷つけた…っ。ごめんっ……」
涙が出た。
泣いて良いのは私じゃない。
そんなことは分かってるのに。
ギュッ
暖かい温もりと共に春翔の香りがする。
抱きしめられた。
「は…ると…?」
「はー、遅いっつーの。ずっと待ってた笑」
「…ッごめん!」
「葵、好きだよ。」