「さてと、次は……この段ボールにしよっか。あれ?」

手にかけた段ボールには側面に何も書かれていない。後回しにしようと抱えようとしたが重たくてピクリともしない。

(重たい……悠作さんのよね?)

「しょうがない、これから開けるか」

私はベリベリとガムテープを剥がし段ボールを開く。そして中身を見た私は思わず微笑んだ。

「あ、懐かしい」

そこには大量のアルバムが入っている。

大学時代、写真サークルで知り合った私達は互いの共通の趣味が写真だったことから意気投合して交際が始まった。

「ふふっ……これは大学の秋の展覧会のときね」

そこには顔を寄せ合い、幸せそうに笑う悠作と私が映っている。

「この時は、沢山の人が見に来てくれて……いまでもいい思い出だわ……」

そして私はアルバムをパラパラと捲ると、被写体である私達の後ろに、写り込んでいる小さな人影に息を呑んだ。

(……嘘っ……な、んで……あの人が……)


──ピンポーン

私は突然鳴ったインターホンの音に体が勝手に跳ね上がった。