「お母さん、支援って何?」

「うん。一年くらい前からお父さんね、借金していたみたいなの。経営も上手くいってなくて……」

「え? そんな初耳なんだけど」


 お父さんが経営していたのは地元の小さな手芸店。だけど、布とかはなくて裁縫道具とかを売っているだけのこじんまりしたお店。

 確かに儲かっている感じはなかった。まぁ、最近は実家に帰ってなかったし知らなかっただけかもしれない。


「……話を戻すが、支援をする上で条件がある」

「条件ですか? 条件って……」

「奏和が結婚することだ」


 ……え? 結婚?