「都合のいいことだとは思っている。だけど、俺は奏和ちゃんのことを一生大事にしたいと思う」

「……誠さん、あの私」

「今は返事は求めない。俺を嫌いだと言うならば離婚をしよう」

「……ぇ」

「俺にチャンスを与えてくれないか? 全力で愛するから」


 そう言った誠さんは、私の手を取り手の甲へと口付けをした。


「……っ! ま、ま、誠さん!? こ、こんなこと……っ」

「返事は求めないと言ったが、初夜はするつもりだ」


 えぇ……!? さっきはおやすみって言って別れたのに!? 心の準備できてないんだけど。