「蓮!…今日、あたしの家泊まらない?」
咄嗟に出た一言だった。
蓮はなぜか耳まで真っ赤に染めていく。
………え?
まさか、こいつ、また変な妄想とか…
しているんじゃないよね?
「あ、いや。別にそういうんじゃないんだけど。テスト前だから勉強教えてほしいだけで…」
「お前さ…、俺がさ……、いや何でもない」
顔が真っ赤だということを隠すようにして、蓮はあたしに背中を見せる。
だから、変なことはしないんだって。
成績優秀の彼氏をせっかく持てたのだから、ここで利用しなきゃあね。
「泊まって、あたしに勉強教えてえ!!」
蓮の腕にすがって、泣くフリをした。
ここまですれば、蓮も承知してくれるだろう。