あたしは顔をちょっとずらしてみる。


すると、

蓮と深波がものすごい顔で睨んでいた。


元ヤンvs元ヤン?


ここで、タイマン…する気じゃないよね?




「何、やってんの?」

蓮は深波を睨んだまま、教科書をスッと下におろす。


「はい?こっちの台詞なんですけど。邪魔、しないでくれない?」


深波は、蓮を見下ろす。


蓮は身長が175cmあるが、深波は推定185cmはある。


蓮がめっちゃ小さく見える。


2人は一歩も譲ろうとせず、にらみ合ったままだった。


「はあ…。でもまさかびっくりしたよ。あの如月が、優等生演じているとはね」


蓮はその言葉にフッと笑う。


「別に、演じてねえし。俺もびっくりしたよ。俺の彼女とまさか幼なじみだったとはね」


蓮は"俺の彼女"と"幼なじみ"を強調させ、あざ笑うかのように言った。


その言葉に深波は、ピクッと顔を動かす。