っていうか…

雪村南といえば、一応優の親友の蓮の彼女だ。


蓮とは付き合いも長い。


あいつは、雪村南には本気だ。

勘違いされたら、困る。


優は、ポケットから携帯を取り出しそのまま蓮に電話をかける。


呼び出しのコール…。


いつまでも消えない、機械の音。


ブチッという音とともに、蓮の不機嫌な声が入る。


『おい、お前、何時だと思ってんだよ!!っざけんな!!人の眠りの邪魔をするな!!』


予想通り、メチャメチャ怒っている蓮。


耳に近づけなくてもわかるほどの大きさ。

まったく、似たもの恋人同士だな。


「うん、深夜遅いのはわかってるんですけど…、俺今、雪ちゃんの家に来てるんだよね。だから、一応彼氏に報告しなきゃいけないなって思ってかけてるんですけど…」


優がそう言うと、さらに蓮の声は大きくなる。

『はあ!?お前、何だよ!!何、人の彼女の家に来てんだよ!?雪は今何してんだよ!?』

「今?風呂に入ってるよー?」


『俺も行く』


蓮のその言葉を最後に、電話は強引に切られてしまった。