* *
「だから、何ですかね?」
怒りを抑えながらも、顔は引きつる。
深夜1時の月曜日。
つい1時間程前までは、日曜だったのに。
日付が変わってしまった。
そして
一人の不審者が、あたしのところに現れる。
「だから、本当にごめんね?一人暮らししている奴って雪ちゃんしかいないからさー…」
あたしがドア閉めようとしているのに足をひっかけて、閉められないようにしている奴…優。
蓮の、親友。
今まで優君って読んでたけど、君付けする優しささえ失ってしまった。
「だからって女のトコに泊まるなんていうな!!!いっぺん、顔洗って表でろや!!」
あたしは近所迷惑にならない程度(まさに近所迷惑)の声を張り上げ、優の足を思いきり踏む。
「いった!!!!」
優は声を出すだけで、足は動かさない。
………ツワモノだ。
「雪ちゃんにさあ、相談したいこともあるんだよね…。千明ちゃんのことなんだけど…」
「は?」
あたしはドアを閉めようとしていた手を緩める。
その隙に、優はドアを開けて、中に入ってくる。
そして、鍵を閉める。
「何入ってきてんだよ!!変態!!不審者あああ!!」
「馬鹿!!不審者じゃねえよ!!近所迷惑だろ!?」
優はあたしの口を塞ぐ。
「あ、あのさあ…、雪ちゃんに言いたい事があるんだけど…」
顔を真っ赤にさせて、俯く優。