「如月くんが好きだったの!!!」


花坂さんが、叫んだ。

こんな小さな身体でよくこんな大きい声が出るな、と思わせるほど。


「花坂…さん?」

「中学の時からずっと好きだった!!でもあたしはその気持ちが抑えきれなくなって告白したの…。そしたら、あっさりフラれちゃって…。でも高校に入ったら、雪村さんと付き合って、悔しかったの!!」


あたしは、胸が痛いほどに締め付けられる。


あたしは、花坂さんの気持ちがすごく伝わってきた。


「はあ?だから、何だよ!!悔しかったっていう理由で雪を傷付けようとしたのかよ!!ふざけんな!!」


「蓮、もういいから!!やめて!!」


あたしは、蓮の腕を掴んだ。


「何でだよ?コイツ、お前に酷いことばっか…」

「蓮が…好きだったんだよ…。好きだったから、手に入れたかったんだよ…」


あたしは、溢れ出る涙を拭う。


「もう…いいよ。花坂さんだって、あたしと同じ気持ちなんだから」


「雪村さん…、ごめんなさい…ッ」


あたしに謝る彼女の頭を優しく撫でる。


「雪は、それで満足なのかよ…」


蓮の問いかけにあたしはニッコリと頷いた。