* *
「おい!!雪!!どこに行くんだよ!!」
南は、蓮の言葉も聞かず、外へと飛び出した。
蓮は、あまりの速さにただ立ち尽くすだけだった。
……言い過ぎた。
「如月くん…?」
しばらく経つと、エリ(花坂)が蓮の元へとかけよる。
エリは企みの笑みを浮かべたが、それもほんの一瞬だった。
「俺…、雪探してくる」
「えっ!?自分で勝手に出て行ったんですよ?放っておけば、帰ってきますって!!」
外に出ようとする蓮をエリは必死に止めた。
…そんな、彼女に不審を抱く。
「でも、もう24時回ってんだぜ?女一人が危ないだろ」
蓮がそう言った瞬間、エリは突然蓮に抱きついた。
「……行かないでよ…」
エリは消え入りそうな声で呟き、ポケットに隠していた携帯をバレないように操作する。
エリは戸惑っている蓮の唇に自分の唇を当てようとした。
ここまできたら、自分の経験上男はオチる。
そう思いながら、蓮にキスしようとした。
しかし…
蓮は、
「お前、やっぱり演技だったんだな」
エリから離れ、怒りを抑えて低い声で蓮はそう言った。