……図星。
「図星だね。」
千明はハッと笑い、あたしを見る。
「そ、そそそそそそんな蓮にキスされる夢なんて見てないし!!!」
授業中の静かな空気にあたしの大声だけが、大きく響く。
そして……
一瞬にして…
教室中が笑いの嵐と化した。
多分、笑っていない人がいないくらいに…
笑っていないのは…
あたし…雪村南と…
あたしの彼氏…如月蓮…。
蓮は、呆れていた。
「あははー。お前の彼女、欲求不満なんじゃねえの?キスの1つくらいしてやれよー」
なんて、爆弾発言をするのは蓮の友達の優君。
苗字は、知らない。
面倒くさいから、基本、覚えない。
あたしは、寝言を聞かれた挙句、"欲求不満"呼ばわりされてしまった…。
今日は、最悪の一日だ…。
そして、さらにあたしをどん底に突き落とす一言が、刺さる。
「別に。あんなの好きで付き合ってるわけじゃねえよ」