あたしが彼に一目惚れしたのは、きっと偶然ではないかもしれない。


今なら言える。



……必然だったと。


中学の時から、あたしもきっと彼に惚れていたのかもしれない。




彼の隣にいたいと思った。


彼を愛したいと思った。




…きっと。


アスファルトの向こう側で繰り広げられていた一人の少年の喧嘩に。



あたしはそんな2つの気持ちを抱いて、ただずっと見ていた。



その彼はきっと…蓮だ。



そして、蓮もそんなあたしをずっと見ていた。



バレーで負けて一人で孤独に泣いていたあたしに1つの愛をくれた。



蓮はあたしに"恋"というものを教えてくれた。



それは、あたしにとって人生最大のプレゼント。



この偶然に思えた必然の出逢いをあたしは大切にしたいと思う。



……愛を知らないあたしに、大きな愛の存在を教えてくれた蓮に。



こんな何にも取り得のないあたしを好きになってくれた蓮…。



本当に、ありがとう。