女の子なのに…。
このさばさばとした性格と男顔負けの強さで、いつも扱いは男。
あたしだって女の子なんだから、お洒落とかにも興味あったりした。
だけど、それをプライドが許してはくれなかった。
そして、あたしは父親の存在を知らない。
父親というものを知らない。
母親は海外出張。
中学時代からあたしはずっと一人だった。
確かに友達は人一倍いた。
だけど、孤独だった。
涙を見せれる友達がいなかった。
本音をぶつかり合える人がいなかった。
……あたしは"愛"を知らなかった。
蓮は光、あたしは愛を失っていた。
ただ、出口を知らない海でもがいているかのように…。
必死に、目的のない道を歩んでいた。
だけど、そんなあたしに蓮は手を差し伸べてくれた。
強く、強く、あたしを掴んでくれた。