「雪…、あのさ…本当冗談なんかじゃないから聞いて…?」
蓮が今までに見た事のない程、真剣な表情であたしを見た。
その顔立ちに思わず、唾をゴクリと飲み込んだ。
「う、うん」
「俺さ、馬鹿だし、冷たいし、最低だし、人の気持ちなんて考えない男だし…。でも…それでも雪を大切にするって自信だけはある」
「あ、あたしも!蓮を守るよ」
うん、絶対に。
この誰にでも負けない腕力で!
あたしがそう思っていると、蓮は呆れた様子であたしを見ていた。
「……だから、冗談じゃないんだって」
「…?わかってるよ」
あたしは小首をかしげた。
それでも蓮は納得のいかない様子の顔を浮かべては、顔を隠すようにして俯く。
「…だからさ…、ずっと俺の隣にいてくれますか。…つか、いさせて下さい…」
蓮が、頭を下げる。
蓮の顔が今までに見た事ないくらいに真っ赤になった。
