「やっぱ偽ってでもお前の傍にいたかったって、すごい後悔してね…。公園で毎日夜泣きしてたよ」
ハハッと笑いながら蓮は言った。
それは、エリ子から聞いた。
泣いていた、と…。
彼女は長い間、あたしよりも蓮を見てきている。
「でもさ、葵に言われたよ。後悔するくらいなら、人を好きになるな!ってね」
葵さん…。
あたしだけではなく、蓮にまで説得してたんだね…。
目頭が徐々に熱くなり、涙が出そうになった。
「お前から離れようと思った。でも、できなかった」
それはあたしもだよ…。
あたしの瞳から放たれた涙が頬を伝う。
「な、、お、お前泣くなよ」
「だってぇ…ッ」
周りから見れば、クリスマスに別れたカップルに見られるのかもしれない。
それでも、いい。
だから、今、本気で泣かせて。
「あのさ…、俺さ…雪に相応しくないかもしれないけどさ…ッ」
蓮は言葉に躓き、嗚咽が漏れた。
……蓮の瞳からも一粒の雫が伝っていた。