「…もっと、もっと具体的に!」


興奮してつい身振り手振りを使ってしまう。



「はぁ?具体的…って」


蓮は首を傾げる。


「あ。」


蓮は何か思い出した様子。


「何」


「俺、お前に羨ましいって言った。泣いている時に」


……ッ、痛ッ


その時、突然、頭に激痛が走った。


そして、頭にある少年が浮かぶ。


あんたのせいだけじゃ、ないよ。


俺は、あんたが、羨ましいよ。



……あたしが公園で泣いた日、この二言を言った不良少年……。



あの不良がまさか、蓮?


「ははっ、いやまさか」


アイツは、あの辺では有名な不良だったはず…。


それが蓮なわけ…。


あたしは、蓮の義理の兄でもある先生の言葉を思い出した。


そういえば…。


蓮って…。


関東、関西、九州で有名な不良さん…だったんだよね。