「…汚れていた…」


蓮の言葉をあたしは繰り返した。


「でもさ、俺はこの女と会うのは最初で最後だと思ってた。だって、暮らす世界が違うから」


「あー……」


蓮は、裏の世界の人間だったんだよね。


「でも会ってしまった。それがあの公園だった」


……いつの事なのだろう。


あたしは記憶を辿るが、全く思いつかない。



「再会したとき…お前、泣いていた」



……どういう事?


「覚えてない?」


あたしは記憶をどんどん探っていくが、全く見つからない。

あたしは首を縦にゆっくりと頷いた。



「んー、だろうな。俺今と外見が全く違うし」


「…どんな格好してた?」


それを聞けば、少し…思い出すかもしれない。



「…どんなだったかな。とりあえず、金髪だった。」

…んー。


金髪の不良はいっぱいいたよぅ…。


「……全然わかんない」


「後、ピアス…、かな。制服は着崩していて、多分原型が分からない程だったと思う」


…全部、その辺にいるよぅ…。