「わっかんねー。寒!」
蓮は腕を組んで、眉をひそめた。
暑がりの蓮でもこの寒さを寒いと感じるのね。
「…とりあえず、どこか入ろうよ。」
ファミレスでも、コンビニでも…。
暖房が効いている所がいい。
「あ、向こうとか良くね?」
蓮が震えながらさした先には…。
ファミレス。
しかもいかにも混んでますって感じ。
でも寒い。
自分の体調を優先してあたしは蓮の服の裾を引っ張りながら、ファミレスに向かった。
「何名様ですか?」
中に入ると店員が蓮を見ながら、そう言った。
いつも、そう。
女性店員は必ず蓮を、長い時間直視する。
まー、格好良いけどさ。
そこまで見られると、殴りたくなるんだよね。
嫉妬だね。
あたしは頬を膨らませながら、店員の後をついて行く。
どうやら、ギリギリセーフってだったとこみたいだ。
あたしらより後に来た人は、時間待ち。