とりあえず口の中に松坂牛を入るだけ、入れて蓮の後を追った。
「お母さん、バタバタしてすいません」
リビングにいる蓮のお母さんにお辞儀をした。
「蓮、頑張るのよ」
お母さんは笑って親指を立てた。
「…ッ、うるさい!」
…2人の会話が全く分からねぇ…。
「何を頑張るの?」
「何も頑張らない」
蓮はあたしの言葉に即答。
…えー。
この親子は、本当に日本人か!
蓮がドアを開ければ、寒い空気を一瞬で肌で感じた。
「…寒…ッ!」
あたしは両手を擦り合わせて、そっと息をかけた。
い、い、異常でしょ!
この寒さ!
「中が暑いだけだよ」
…蓮は、相当な暑がりなんだね。
だから冬でも、裸で寝れるのね。
何だか、納得。
でも……。
「蓮、どこ行くの?」