「何で、クリスマスに親と過ごさなきゃならないんだ」
蓮は頬杖をつきながら、愚痴をこぼしはじめる。
「あらま、去年も一緒に過ごしたじゃなーい」
蓮のお母さんはそう言いながら、両手に松坂牛。
自然によだれが口元を伝う。
やばーい…。
色がヤバーイ…。
「蓮兄、ママの事嫌いなの?」
口の周りにヨーグルトをつけた央ちゃんがそう言った。
「当たり前だろ」
……即答、ですかい。
何という、親不孝もの…。
「酷いなー。私がいなかったら、蓮はここに存在していないのよ?」
「はいはい」
蓮は適当に流す。
その行動には、怒りが完全に表れていた。
「じゃー、お姉ちゃんはぁ?」
お、それはあたしも聞きたいかも。
そう思いながら蓮を見ると、視線がバチッと絡み合った。
蓮は、黙ったままあたしを見ている。
何だ…?
考えているのか?
っていうか、考えないでよ。
男なら男らしく全部!って、胸を張っていってよ。