「個性的って言ってよ」
さっきの先生みたいな言い方を真似してみた。
「庶民的だな」
……庶民だもの。
どうせ、マンション暮らしですよー。
3階建ての一軒家とは、比べものにならないですよー。
口を尖らすあたしの頭に蓮は手を置き、ポンポンと叩いた。
…蓮は、ときどき素直になる。
普段の彼と、比べものにならないくらい優しい。
蓮はクローゼットを開いて適当に服を選び、今着ている服を脱ぎ始める。
すると、蓮の上半身が露になった。
蓮の上半身はやはり何度見ても綺麗だ。
男に綺麗なんて言うのもアレだが、綺麗という言葉の代わりが他に見当たらない。
「蓮って…身体綺麗だよね」
身体ばかりに目がいってしまってつい思っていた事を口に出してしまった。
「は!?」
蓮は顔だけあたしの所を向ける。
「本当だよ。こんなに引き締まっている身体…、羨ましいよ」
あたしも小学3年生の頃から6年間バレーをやっていたが、こんなに引き締まらなかったよ。
「…お前は男並の身体になりたいのか。」
「うーん…」
今でもバレーを続けていたら、あたしは絶対に蓮の身体を手に入れたいと思う。
でも、今は必要ないかも。