兄貴面している蓮もなかなか新鮮だ。
央ちゃんが蓮の部屋からいなくなったのを確認すると、蓮はあたしに目を向けた。
「お前、寝るの長いな。もう19時だぜ?」
「えっ、嘘!」
慌てて壁時計を確認すると、時計の針は7を指していた。
「起こしてくれたら、良かったのに」
「もったいねぇよ」
蓮はそう言うと、しまったといわんばかりの表情を見せた。
「と、とりあえず、お前出かけたいとこあるか?」
「え?」
……あ、今日クリスマスなんだ。
誰かさんの気まぐれ補習のせいで忘れていたよ。
「…焼肉バイキング行きたい」
あたしがそう言うと、あたしのお腹が返事するかのようにグーとなった。
「は?」
蓮は頭の上にたくさんの?マークをウヨウヨ飛ばす。
……あ、しまった。
クリスマスに焼肉バイキングって…。
あたし…、夢がない…。
でも、肉好きなんだもん。
「相変わらず、選択がおかしいな」
蓮は、頭を掻きながら笑った。