* *
「わぁ、お姉ちゃん起きたぁ!」
………?
目を覚ますと、何かがあたしの上ではしゃいでる。
「央(なかば)、やめろ。」
蓮が、その何かを持ち上げた。
……何かとは、5歳くらいの女の子で。
蓮の隠し子?
「雪、目覚めた?」
「……ヘッ?あ、あぁ、うん…。ていうか、その子…」
あたしは蓮が抱いている女の子に目を向けた。
「あ、コイツ?俺の妹。」
「央ってゆいます。5歳です」
手を大きく広げて、5を表した。
「…知らなかった。」
「ああ、悪い。何か言いそびれたんだよね」
「えぇー蓮兄、お姉ちゃんに央の事言ってなかったのぉ?お姉ちゃんの事はうるさいほど言ってくるくせにぃ」
央ちゃんは、頬を膨らませながら蓮の髪型を崩していった。
「うるさいな。いちいち、そんな事まで言うな」
蓮は、唇を尖らせて央ちゃんの頬を引っ張る。
「痛いー」
「ほら、もうリビングに行ってな。飯はできている」