蓮ってきっと、波乱万丈な人生だったんじゃないか。
「いつ、どこで雪村を見かけたのか分からないが…、雪村がいなかったらアイツは……」
先生は、言葉に躓いた。
「俺はアイツとは犬猿の仲だし。あんまり詳しい事は分からない。ただコレだけはいえる。雪村は如月に衝撃を与えたんだ」
……衝撃。
「あたし…、蓮に何したんだろう…」
「それは本人に聞いてみろ。俺はこれから空港だ。今日は、ガンガンやっちゃっていいいよ。」
先生は鍵を持つと、あたしに微笑んだ。
「先生…、見かけによらず破廉恥な言葉使うんですね」
ちょっと…、幻滅。
先生のイメージかなり崩れたかも。
良い意味で。
「素直って言ってくれ」
「それとはまた別な気が…」
先生は、きっと弟思い。
例え、血の繋がっていない兄弟だとしても。
…兄弟って、いいな。
「まぁ、嫌だと思うけどこれからもアイツをよろしく頼むな」
「もちろんですよ。だから、テスト簡単にしてね?」
軽くウィンクして、顔の前で両手を合わせた。
「調子がいいな、難しくしてやる」
先生は舌を出すとそのまま外へと出て、車に乗り込んだ。