「お前等……」


先生は眉をピクピク動かす。


相当、頭にキテいるのだろう。


いい気味だ。

あたしと蓮のラブラブを邪魔しやがって…


「わかった。じゃー、雪村は如月に教えてもらえ」


先生があたしに向かって、微笑みを見せた。


……おー、結構良い先生じゃない。


さっきの暴言、前言撤回させてもらいます。


「えー!?何で、南さんだけ!?エリも、如月君がいいですー!!」


「如月は基本、女は雪村以外とは喋らないからな。無理」


先生はそう言うと、悪戯っぽく舌を出した。


エリ子は、ふて腐れたような顔を浮かべてペンを回し始める。


「でも如月、遅いな」


先生は階段と腕時計を交互に見ながら、そういった。


「アイツの事だから、色々してんじゃないスか」


一樹が不敵な笑みを浮かべながらあたしを見る。


「……色々って…」


それには、一体何が含まれているのだろうか。


それは、男の子事情ってヤツにでも入るのかな。


あたしが首を傾げていると、腰で履いたズボンをダボダボさせた蓮がおりて来た。


「如月くーん!!」


蓮の姿を見つけたエリ子は席を離れて、蓮に抱きついた。