「遅いって言われても…。先生、アイツ起きないのに」
「…あいつ、寝起き…とんでもないからな…」
あたしは用意されていた椅子に座り、勉強道具を机に広げた。
あたしは嫌々ながらも勉強を始めた。
……意味がわからない。
文字式だのxだのyだの…。
……あぁ…、真面目な中学生しとけばよかった…。
優は、千明と個人授業を行っていた。
うー…、いいなぁ。
「もう、先生わかんねぇよ!!意味不明!!」
一樹が頭を激しく掻きながら、口を尖らせた。
「本当だよ。意味わかんないよぉ」
エリ子も一樹を横目に、机にペターッとへばりついた。
「……集中力ない奴らめ…。こんなんだから、最悪な成績を取るんだ」
……う。
先生、痛いところをついてきた。
「でもさ、先生。飽きるのは先生の話が分からないからだよ。ほら見てよ。優なんてめっちゃ頑張ってるじゃん」
あたしは優を指しながらそう言った。
「……教えてる方が悪いといっているのか」
先生の言葉にあたしを含めた3人は大きく頷いた。