「おー、蓮起きたね。おはよう」
あたしが声をかけると、一瞬であたしを見ては蓮は大きく目を見開いた。
「……ゆき?」
「そうだよ、雪だよ。」
蓮は、何が起きているのか全く理解している様子はなくただあたしを見ては口をあけていた。
「蓮、君のお兄さんが下に来いって言ってるよ」
「……お兄さん?」
蓮はハッと、起き上がる。
「まさか、お前……」
「あー知ってるよ。蓮のお兄さんが先生だったって事。この話は、あたしに隠している話の1つなんだよね」
「え…ッ、え?」
蓮はまだ寝ぼけているのか、あたしの言った言葉が理解できていない様子だった。
蓮の寝癖が可愛くて仕方がない。
思わず抱きしめたくなるほど、あの蓮が可愛く見える。
寝起きの蓮は特別だ。
「じゃぁ、蓮、下におりてきてねー」
このままだとキスしたくなるからあたしは下に逃げるようにしておりていった。
下では、もう早速補習が行われていた。
「雪村、遅いぞ」
先生が手招きをしながら、あたしを呼んだ。