蓮と先生の家は、以前来たときと変わらなかった。
「おい、雪村。如月起こして来い」
先生は上へと続く階段を指しながら、あたしを見る。
……マジッすか。
寝起きの蓮…とか、絶対怖いでしょ。
でも、見てみたいな。
「ぁーい…」
あたしは適当に返事すると、階段をひとつひとつ登っていった。
そしてあたしは蓮の部屋の前まで来るとノックもせずに、堂々と入った。
「蓮、おはよー」
ベッドには、やっぱり上半身裸の状態で寝ている蓮がいた。
全く…季節を感じさせない男だ。
あたしが声をかけたのにもかかわらず、蓮はいまだに寝息を立てながら眠っている。
うー…。
彼女が補習で大変だというのに、何てのんきなヤツなんだ。
「ねぇ、蓮?」
蓮の身体を揺さぶりながら、あたしは起こす。
それでも蓮は全く反応を示さない。
あたしはどうしていいか分からず、蓮の部屋を360度見渡した。
モノトーンで統一された部屋は、あたしの部屋とはかなり対照的だ。
でもベッドの下は、あたしの知らない世界……。
もう、あんなの見たくない。
「……ん…」
あたしが部屋を見ていると蓮が、片目を擦りながら上半身を起こした。