「体育と家庭科と美術と音楽はイケるんですけどねー」


「使用科目は、だめなのね」


あたしと一緒。


花坂さんとあたしはときどきカブる。

趣味とか、好みがほとんど一緒。


制服の着こなし方も、柄が一緒の靴下も、ちょっとみんなとは違う色のローファーも。

髪の色や、少しハスキーがかかっている声も。

全てが一緒。


あと


お互い同じ人が好きって事も。


まるで、もう一人のあたしの様な存在。


「でも、補習って言ってもクリスマスですよ?ありえないですよね?」


「花坂さんは……」

「あ、エリ様でいいですよ」


あたしの言葉を無理矢理遮って、そういった。

………。


あんた、どこの人やねん。

「……エリ子は、クリスマス過ごす相手いるの?」


もう無理矢理、名前に【子】をつけてやる。



「いませんよ、あたしのクリスマスはマンションから見える如月君の部屋を覗く日ですから…って毎日見てるんですけどね」


この人、去年まではおしとやかで綺麗な子ってイメージがあったけど、今ではその欠片さえ見当たらない。


………綺麗なのは、顔だけだ。


「……犯罪者」


ストーカーめ。

訴えてやる。