「せんせー。ちょっとその教科書貸して下さい」
突然、聞き覚えのある声があたしの耳に通る。
「え?」
その声は、誰だって分かるだろう。
だって自称イケメン、通称ヘンタイの蓮君なのだから。
先生は首を傾げながらも、蓮に教科書を渡す。
蓮は先生から教科書を奪うなり、制服の裾を教科書に擦り当てる。
……な、
何、やってんだ。
「あっ」
先生にだけ理解ができたらしく、先生は声を漏らす。
蓮はしばらく経つと、先生に教科書を返す。
蓮は先生を引っ張り何か耳元で囁いた。
が
全く、聞こえません。
みんなそうだろう。
絶対、分からない。
まあ、いいや。
この授業終わったら、蓮に聞こう。
どうせ、この授業で終わりだしね?
そして、そのままあたしは睡魔に襲われた。