本気って!?
つまり方程式にすると…
深波とあたしはライバル
=好きな人が同じ
=蓮が好き
=…深波の想い人は蓮
「……反応、遅いな」
「これが雪なのよ」
優と千明はあたしの反応を指差しながら笑う。
「待って!?深波ってあたしの事が好きなんじゃないの!?」
「はぁ?何、自惚れてんの。俺は昔からお前の事、超が付くほど嫌いだし。それにまず、女に興味ない」
……なんだ、それ。
全ての話が1つに繋がった安心なのか、またや不安なのか複雑な感情があたしを支配する。
今まで悩んでいたあたしの時間を返せ!
「この高校に来たのも全部、如月に会いたいが為の手段だった。まぁ、そこにみいちゃんがいるってのは予想をはるかに超えたけど。それに、付き合っていただなんて…」
"報われない恋"
彼がまだ始まってもいない恋に、そう名付けた理由がソレだったんだ。
……確かに…。
報われたらある意味すごいからね。
深波だって蓮が好きなだけに、蓮の事は知ってるはずだから…。
「でも、俺諦めてないよ。隙あらば、また唇奪いにくるから」
堂々と宣言する深波の笑顔は、嘘偽りのないただの純粋な笑顔だった。