しかしもっと驚いた光景が目に入る。

千明の腕が絡ませているのは何と優の腕。


千明は優の後ろに隠れるようにして、あたしの様子を伺う。


「はぁ…、そういう事だったのね」


「へへっ」


千明はあたしの言った意味が分かったらしく、自分の頭を手で何度も撫でる。

……何というか、おめでとう。



「しかし…蓮は……」


優は蓮を可哀相な目で見つめた。


蓮はあまりのショックさに、ベンチから落ちた様子。


「俺のあまりにも上手いキスに、酔ったみたいだなぁ…」


自分で納得している深波。


いや…、それは絶対ないだろ。


あんたのキスにショック受けてんだよ。


蓮がショック死したら、どう責任とるのよ。



心の中であたしは突っ込みを入れる。


………ていうか。


「深波って…蓮が好き…だったりする?」


「……ははっ。結構…いやかなり本気だよ」


笑いながらさらっと言う深波には絶対、羞恥心はない。


……ていうか。


「……っええ!?」