「ちょ…ッ、雪ちゃん大丈夫…ッ!?」
視界には、焦る優の姿がぼやけながらも映る。
背中が痛い。
足が痛い。
とりあえず…
体全部が痛い。
……あたしに、何が起きた?
普段使わない頭を必死に使って、脳裏を探る。
さっき…
背中にものすごい痛みが走って……。
まるで誰かに殴られた感覚…だった。
その衝動にあたしは、転んだ…。
そして、膝をすりむいた。
うん、きっとそう。
あたしは誰かに押されたんだ。
だとしたら…
一体、誰―――?
………蓮は?
蓮は、無事なの……?
あたしは視界に映らない蓮を必死に探す。
「……蓮ッ!?」
そしてあたしは一点に目を集中させた。
あまりにも衝撃的すぎる光景だった。
……蓮が誰かとキスしてる…。