* *


「え!?ちょ…っ、え、同居ー!?」

「馬鹿!!声がでかい!!」


授業中のあの静かな教室に千明の超でかい声が響く。


「雪村、栗原!!お前等、いい加減にしろ!!」


先生があたし達の目の前にまで来て、教科書を頭に叩きつける。


しかし先生は、なぜかあたしの時だけ優しかった。


先生はまだ新任さんで24歳のイケメン教師。


もちろんそんな先生にはファンクラブができるほど、ファンがいる。


まあ、あたしには関係のない話ですけど。


名前すら覚えようという気がしない。


そして先生は

「全く、お前等は」

そうため息をつくと、さりげなく教科書をあたしの唇に押し当てる。


全く

意味が

わかりません。


それはほんの一瞬だったから、誰も気づかなかった。


先生は教科書を持ったまま、また黒板の前に立ち授業を再開しようとした…


……が。