「あたしはね…蓮の事が…ッ」
好き
この言葉だけは、蓮の唇によって塞がれてしまった。
……久しぶりの温もり。
あたしの頬に何かが零れ落ちる。
……きっと、涙。
蓮の…涙。
キミの全てが愛しい。
……ずっと
欲しかった……。
もう…離さないから…。
「……好き」
蓮の唇がゆっくりと離れたと同時に聞こえた…一言。
さっきあたしが言おうとした一言。
それが今、蓮の唇から放たれた。
「……へっ?」
あたしは突然の言葉に驚きを隠せず、つい間抜けな声を出してしまった。
「中学生の時からずっと…ずっと好きだった。こんな最低な男だけど…、もう一度付き合って下さい」
蓮のかすれた声がとても愛しかった。