「俺…、まだ吹っ切れてないから…」


「……何がよ…」


蓮と、こうしてまた会話ができるなんて何ヶ月ぶりなのだろう。


……やっぱり、あたし…


蓮が好きだよ。


「……雪は、俺の事嫌いかもしれないけど…」


蓮は、あたしの目を初めて見る。



「俺は、まだ雪が好きだから」


「………」


……声が出ない。


出るのは、後悔と涙だけ。



「……諦めようと思っても、諦められない。」


「………うん」


相槌を打つのが精一杯だった。


「…だから、近付くな。……お前、見れば俺…おかしくなる」


胸が張り裂けそうで。


ただ、ごめんね、…と。



「……好き…が、過去になるまで…」

「過去にしないで……」



気付けば、蓮の小さな声をあたしの大きな声で遮っていた。


蓮は、目を大きく開いてあたしを見る。


……自分が何を言ったのか理解できなかった。