あたしは意味が分からず、花坂さんを軽く睨む。


「何を待つのよ!?」



あたしがそう叫ぶと花坂さんはあたしを睨み返し、人差し指を唇につける。


そして片方の手で、ある場所を指した。



「向こうに、如月君がいます」


暗闇の中、照らされた草むら。


そこには、しゃがむ蓮の姿があった。


「……え」


まさかの登場に、あたしは言葉を失った。


蓮はあたし達に背中を向けている為、気付くことはない。


「雪村さん!今がチャンスですよ!!」


花坂さんがあたしの背中を押す。


チャンス=告白。


あたしは蓮の背中を見て、再び意を決めた。


蓮……。


もう一度、あなたに好きって伝えていいですか。